本ウェブサイトでも以前火照りながらご紹介させて頂いたKinfolk Magazineであるが、ついに本日12月13日(アメリカ時間12月12日)第2弾が発売された!更に今回のVol.2はiPad版も500円にて用意されているので手に入れやすいのではないだろうか。
Kinfolk Magazineは、本来豊かな時間というものは仲間と同じ時間を共有する事の尊さを感じながら、複雑な事を省いたシンプル性があり、また計画されなくても追求できるものであるという価値観を主軸に構成されている。これらの軸にアートやデザインへの愛情を融合させながら日常という時間の積層を大切に育んでいる。Kinfolk Magazineも今では、写真家、コピーライター、ウェブデザイナー、映像作家、ライター等60人もの才能が関わっており(Vol.1の時に比べ大幅に人員が増えている)、それぞれの拠点もニューヨーク、ポートランド、ロサンゼルス、サンフランシスコ、フィラデルフィア、ボストン、トロント、ロンドン等と広域に渡っている。近年、同じ場所にいなくてもネット上の会議等やクラウドサービスの利用により仕事ができる環境が整ってきたとはいえ、やはり日々の時間を共有する事で得られる価値観の交換とそれによって深められる相互理解は簡単にネット上で実現できるものではない。芯のある仕事をするための前提条件は、やはり根底価値の共通基盤が整備されていなければ成し遂げられるものではない。そう考えると、改めてこのKinfolkチームの価値基準の強さと、距離を乗り越えても達成できる共感レベルの高さには圧倒されるものがある。
これらKinfolkの動きは特に日常への尊さを感じているコミュニティに強いインパクトを与え、雑誌を取り扱うショップも徐々に広まり始めている。最近では1997年に生まれたスゥエーデン発のファッションブランドで現在NYやポートランドにもショップを構えるDunderdonでの取扱いが始まるようだ。
そもそもKinfolk Magazineを皆様にもご紹介したい理由、それは、このKinfolkメンバーが紡ぎ出すシンプル且つ強度のある美意識は、現在、特に先進国の中の多くの人々が抱えている「豊かさとは何か?」という問いに対して、解決への糸口が多く隠されていると感じるからである。これらは私達Future Ownership Japanとしても非常に大切にしているテーマの一つである。
Future Ownership Japanの根底にある考え方の一つに、「21世紀は普通の人々の時代である」というものがある。 ここでいう「普通」という言葉は、法規制や産業の大枠のルール決めにおける意思決定に実際的なレベルで関われるごく一部の大企業や資産家、権力者以外の人々を指す。そもそも「普通の人々」の時代でなかった事が大きな問題であると感じているが、ようやく21世紀に少しずつ社会に支配されてきたあらゆる自由や不自由が社会一人一人の手元に戻される時代がくると考えており、私達もそのような時代作りの一旦を担いたいと考えている。
そこでは、社会のあらゆるものが非常にパーソナルな領域に入り込み、それらパーソナルな事が確立されるからこそ、真の意味で社会全体の豊かさもオーナーシップを持って取り組める環境へと移行できる時代である。例えば、衣食住のあり方一つをとっても同じ事が言える。ファッションの場合、一部のファッション産業界が一方的に仕掛ける「トレンド」という名の大量販売装置から人々は距離を置き、それぞれが自分達にとって適切なスタイル、自己表現が可能となる服を自ら選択する。住宅も住宅メーカーが作り上げた「豊かな住空間」という一つの解答から選ぶのではなく、これもまた個々人が本当に必要な住空間を自ら設計し、思い描くようになっていく。誤解の無いように加えるならば、もちろん、それが衣食住や他分野のものであれ、提案された世界観に共感すればそれを選択すればいいだけの話であり、大企業を否定している訳ではない。大切なのは、自らが主体的に選択していく価値基準を醸成していく事、そしてそれら価値観を自覚・意識しながら生きていく事である。
何故、このようにパーソナルな方向へと向かうのか。それは真の豊かさとは内なる心や思考によってのみ得られるものであり、外部から与えられるものではないからである。それを社会は20世紀を通じて大きく学んだ。意識的にも無為意識的にもである。
その反省を踏まえ、21世紀は社会全体が今一度自分達の内なる声に耳を傾け、それらを丁寧に汲み取り、それを実現し、体現していく。それらのプロセスを経て、本当に共感しあえた人達やコミュニティが一つになっていく事で、時代を超える強度のあるものが生まれるのではないだろうか。今回ご紹介しているKinfolk Magazineがそれにあたるか否かは少し大げさに聞こえるかもしれないが、その大きな歩みの一歩を踏んでいる姿が投影されているからこそ、軸のある結果物がそこにあるのではないだろうか。この方向性が正解、という事ではなく、純粋に内なる価値観から発せられたものしか持ち得ない独自の豊かさがここには潜んでいる。
この21世紀へのビジョンの話は非常に深く多角的過ぎるので、また機会を改めて皆様と意見を交換させて頂きたい。
Pictures courtesy of Kinfolk Magazine
Kinfolk Magazine
http://www.kinfolkmag.com/
Tomoyuki
2011/12/20
Thank you for interesting topics every time.
I will buy the magazine.
Im looking forward to talking with you.
FO Japan Editing Team
2011/12/20
Thank your for your comments !! I believe this magazine signifies one way of being true to your lifestyle. Lifestyle is diverse, therefore the approach to developing personal lifestyles should be diverse too. Looking forward to talking to you again !