2012年5月オープン ブルックリンで紡ぐカルチャーホテル – Wythe Hotel

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ここ数年間、様々なクリエイティブマインドの持ち主が集い、プロジェクトや事業展開、そして表現の場として選んでいるブルックリンのウィリアムズバーグであるが、 非住人が滞在する場としての選択肢は極めて少なかった。
昨年、ライフスタイルホテルブランドであるKing & Groveがウィリアムズバーグに新たにオープンしたが、Ace Hotelといったカルチャー色が強く、地に足が付きつつも適度な上質感を持ったホテル好きにとってはどこか物足りないかもしれない。
そんな中、ウィリアムズバーグにニューカマーが2012年5月に名乗りをあげる。Wythe Hotelである。

正直、Ace Hotelのような強度があるか否かはまだ判断しかねるが、こうしたハード面のインフラを整える事でウィリアムズバーグに新たな求心力が生もうとする動きはその場所がどこであれ、重要な取り組みではないだろうか。
実際に、Wythe Hotelのサイトでは、Wythe Hotelには醸造所の監督、エンジニア、ブドウ栽培家、シェフ等のための部屋があります、といったメッセージも放たれており、地域に根付いたホテルを意識している事が分かる。

Wythe Hotelはブルックリンの伝家の宝刀的な手段に則り、「古い工場」のリノベーションによって、何にも代え難い歴史的重厚さを残しながら、新たな人々を迎え入れるための門戸となるように手が施されている。

施設の一例として、65人が収容できるスクリーニングルーム(フルHDプロジェクター完備)を備えている。この「65人」という会場を巻き込むのに丁度良い規模感のこの部屋ではインディペンデントなカンファレンスや映画上映会等、様々な用途として利用できる。
プロジェクト単位で活動するようなフリーランスや小規模企業の場合、この収容人数が二桁台のスペースこそ、小回りが効いて利便性が高いのではないだろうか。また、この部屋の外にはバーも完備されているので、プライベートなプロジェクトリリースパーティー等も対応可能である。

Wythe HotelWythe Hotel

Wythe Hotelの中でも特に重要視したい事が、ホテルを形作るあらゆる要素がインディペンデントな人達との共創によって実現している点である。
例えば、ウォールペーパーはブルックリン在住のイラストレーター/アーティスト/ウォールペーパーデザイナーであるDan Funderburghによるオーダーメード作品であったり、 バス用品はプラスチック製品の大量生産に疑問を抱き、より環境に配慮したバス用品を作りたいとの想いで活動しているCommon Goodsによる商品を採用していたり、家具も地元産であったりと、これらの選択を通じてWythe Hotelが大切にしている判断基準が垣間見える。

また、2012年5月1日のオープンから7日までは、早速アーティスト支援をしているNPO団体Frieze Foundationのイベントホストを務める事になっている。

今後、個々の力と街が持つインフラとしての強さが様々な形で調和する事で、地元によって育まれる発展性と外部との価値交換により、一次元深みのある文化的な発信性の高いホテルとしての機能を果たしていければ興味深い。
ニューヨークへ行かれる際は、一度覗いてみては如何だろうか。

Wythe Hotel

Wythe Hotel Website
http://wythehotel.com/

 

 

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