EvanとOliver Haslegraveのヒゲ兄弟からなるhOmEは、2009年から主にレストラン等の商業空間デザインを手掛けている。何よりも特徴的なのは、廃材や古材の蘇生具合である。
廃材が持つ粗野で無骨な特徴を活かし、時間と経年変化に裏打ちされた独特の厳かさが空間全体に落ち着きに加え、品位と色気をもたらしてくれる。
空間創りにおいて廃材や古材の再利用は確かによくある手法だが、その配置や使い方の塩梅によって、その空間が与える印象が如何に左右され、如何に繊細な世界なのかを改めて示してくれる。
彼らは、「僕達は一つの空間にあらゆる必要性がクロスオーバーするような、そんな居心地の良い空間創りが好きです。空間における異なる要素があらゆるレベルにおいて全て正しく機能した時にはじめて空間に統一感が生まれ、上質な感触を得る事ができます。全ては自分達が心から信じる空間を創るという事に集約されます」と話すように、彼らの代表的な仕事であるManhattan InnやPauly Gee’s、Duckduck等はどれもが微に入り細を穿つような仕事である。
(以外にも彼らは廃材の調達先の一つとしてBuilt It Green! NYCを使っているとの事。 ちなみにこのサイトは、回収された建築材料を大幅ディスカウントで再販売し、そこで得た利益を環境保護に活用しているNPO法人が運営するもの。こちらのサイトも是非応援したい。)
また、「空間に温かみや歴史的な特徴を持たせたい場合、新品の素材ではそれらは成し得ません。 回収された素材というものは本質的に多くの規制に溢れていますが、それらをより抽象的に使ったり、そこから新たな価値を創り出す事が仕事の一番の醍醐味です」と話している。
日本でも廃材や古材を利用した様々なプロダクト、居住空間、衣服等が存在するが、可能な限り環境破壊のツケを後世に残さないためにも、廃材の価値、中古の価値というものはもっともっと市民権を得てもいいと考えている。
サステナビリティという言葉がある側面では、企業のマーケティング用語として利用されている現状、サステナビリティが次の事業機会として捉えられている現状、あるいはもう聞き飽きた一部からは”Green Noise”等と言われている現状があるが、サステナブルであるという事は人間にとって最も当たり前に大切にされるべきものである。より社会と地球との調和の上に発展していく事、そしてそれらを生き方の枢軸として捉える姿勢が当たり前になる世の中であって欲しいもの。
(Paulie Gee’s – Brooklyn New Yorkにあるピザ屋です。そうです、ピザ屋です)
(Manhattan Inn)
(Goat Town – 下にあるEST.2010がEST1899でもおかしくない作りですね)
via hOmE website
それではhOmEのウェブサイトへ行ってらっしゃいませ
http://www.home-nyc.com/