舞台裏にはいつも彩り豊かな物語が息を潜めている。仕事の舞台裏も例外ではない。
“Where they create”とはインテリアを中心に撮影し続けている写真家Paul Barberaがデザイナー、アーティスト、画家等の作業現場・創造の舞台を数年に渡り少しずつドキュメンテーションしているプロジェクトである。場所もニューヨーク、ストックホルム、メルボルン、シドニー、イギリス、香港、上海、バンコク等、広域に渡る。
何かが生み出される「現場」とはどうしてこうも心踊らされるのだろうか。対外的にパッケージ化されていない働き手にとって私的な空間であるからこそ、宿る人間味やライブ感がそこにはある。
働き手の姿勢が意識的にも無意識的にも表れるその空間は、働き手の写鏡としての側面も持つ。
更に興味深いのは、その空間における「働き方」に如何なる思考が張り巡らされているのか、という事。自立的に仕事に向き合う人々にとって、働き方そのものを開発する作業は重要な仕事である。
もちろん目に見えない部分も多いが、一見無造作に置かれている作業道具や家具の配置に働き手にしか分からない秩序が潜んでいたり、一見機能性を感じさせない空間に無駄の無い合理性が潜んでいたりと、働き方と調和した空間には多様な個性が存在する。
また、例え無人の場であっても、そこで日々繰り返されているであろう、矛盾する思想の拮抗、生みの苦しみと喜び、繊細且つ大胆な決断、緊張の弛緩、思考のグルーヴや躍動感、といった様々な要素が乱流している気配までも感じるのだから、不思議である。
それではどうぞ続きをご堪能あれ。
Pictures courtesy of Paul Barbera
http://wheretheycreate.com/