「世の中に存在しないのであれば、自ら作る」、これがDIYの基本的な姿勢である。そんなDIYスピリットが大好きなFuture Ownership Japanだが、今日ご紹介するOpen Source Ecology (創業者はTEDでも発表している)という集団はそのスピリットにより、多くの人々の自立性をも向上させる事に貢献している画期的な取り組みを行なっている。
Open Source Ecologyは農家、エンジニア、そして様々なサポーターが結集し、”Global Village Construction Set”なるものを構築しているネットワーク集団である。 このGlobal Village Construction Set (GVCS)とは、小規模且つ現代的でサステナブルな「社会」を構築+存続させるために最も必要な50種類の工業機器の製造を可能にするモジュール式、DIY、低コスト、高機能なプラットフォームである。
「社会」の構築、つまり現代的な生活を持続させるためには、住まい、食物、電力等が必要となるが、これらを自ら生み出すための工業機器に必要な知識やノウハウをプラットフォーム上で共有している。その共有方法にも力を入れており、Open Source Ecologyという名前だけあって自前のwikiを整備し、ハウツー動画も充実させている。
ではここで、一体どんな種類の工業機器が存在するのか、その一部をご紹介したい。
例えば、ブルドーザー、トラクター、セメントミキサー、風力発電機、現場にある土を圧縮する事で1分間に16個のレンガが製造できる機器、粘土や土からアルミニウムを製造できる機器、バイオプラスチック成形機、3Dスキャナー+3Dプリンター、木材・鉄・スチールの裁断機、それらのレーザー加工機器、井戸堀り機、車、種まき機、50年以上持続するニッケル-鉄電池、さらにはパン製造器や自動乳搾り機等、これらもまだ一部に過ぎないがこのような調子で実に頼もしいラインアップが続く。
これらの機器は、製造時に地元地域で調達した素材やリサイクル材料等を巧みに活用している事も影響して、一般的な製造コストに比べて平均で約8分の1にまでコスト削減が可能であるという。
Open Source Ecologyはこれらの取り組みによって、農業、製造業等への参入障壁を低め、後進国だけでなく、都市部においても活用してもらいたいと考えている。特にアフリカやバングラデシュに代表される後進国にとっては、住まい、食物、電力といった生活インフラが不十分なだけでなく、収入を得る手段が極めて限られているため、Open Source Ecologyの成果が波及し、賛同者が増える事によって後進国の人々がより恩恵を受けられやすくなるような仕組みが生まれる事を願っている。
Open Source Ecology
http://opensourceecology.org/index.php
Open Source Ecologyの代表であるMarcin JakubowskiさんはTEDでも発表している ↓
http://www.ted.com/talks/marcin_jakubowski.html